経理プロセスの改善支援サービス

会計数値は会社運営のための大切な情報です。しかし、この情報が正確にしかも迅速に把握できないのならば、そこで行われる経営意思決定は誤ったものになり、精度の低い”どんぶり勘定”になってしまいます。社会の動きや業界の情報をどれほど分析しても、自社の会計数値を正確に把握していなければ、何の意味もありません。

会社経営は情報戦です。自社の財政状態や経営成績をリアルタイムに知ることが重要です。しかし、その情報統括の要(かなめ)となる経理部門は、会社の事業の中心である生産部門や販売部門とは異なり、常に効率化や早期化が求められている部門ではないうえ、社内でもブラックボックスとなっているために、業務改善が進んでいないことが多いようです。

当監査法人では、会社の経理プロセスの”棚卸し”を行い、「課題の把握」⇒「改善計画の策定」⇒「改善活動」⇒「モニタリング」のステップを踏むことで、決算業務の効率化及や適切な内部統制の整備・運用を実現することをサポートします。これからの経理部は、事後のレポーティング業務からインテリジェント業務への進化が求められます。

以下に、当監査法人が提供する経理プロセスの改善方法についてご紹介します。なお、対象とする企業は従業員が50名超の会社を前提としていますが、それ未満であっても、適用が有効な支援業務を組み合わせることでカスタマイズすることが可能ですので、お気軽にご相談ください。

経理プロセス改善の要請

経理プロセスの改善の要請は様々ですが、主なものとして下記が考えられます。

1会計情報システムの効率的運用のため

会計情報システムとは、会計ソフトウェアに限らず、財務会計や管理会計に関する情報を収集する業務フロー全般を意味します。

この業務フローの中心となる経理プロセスは、最低限必要とされる基本的な手続きに、会社がその時々の必要性に応じて設けた手続きが積み重なったものとなっています。しかし、経理プロセスも、他の業務と同様に担当者が次々と変わっていくため、前任者から意味のある業務のみならず、意味のない業務までも引き継ぐケースが多く、また、その業務が必要なものなのかの見直しが行われることがないため、無駄な業務が堆積していることがあります。

無駄な作業を削減し、確実かつ効率的な会計情報システムを構築することで、過去情報の事後処理を行う経理部から、将来への有効な情報を提供できる経理部へと脱皮させることが求められます。

2経営意思決定情報の適時適切な入手のため

経営者が適時・適切な経営判断を行うためには、期末決算のみならず月次決算においても、最新の情報をリアルタイムに入手できることが必要になります。この情報が経営判断に資するためには、さらに加工して、管理会計と呼ばれる経営判断用の資料へと展開していくため、可能な限り迅速に決算データを集積しておく必要があります。しかし、会社によっては経理の手続きや作業に無駄が多く、経理部が情報のボトルネックになっている場合があります。これでは、決算情報やその後の管理会計用の資料を作成したとしても、経営意思決定のために使用する時点では、使用価値のない”鮮度”の低い過去情報になっていることがあります。

こういった会社の場合、経理プロセスの見直しを行い、無駄な作業をそぎ落とすことが喫緊の課題となります。

3内部統制の充実のため

経理部は会社の金庫番であり、見方を変えると大変”リスク”のある部署です。ここでの”リスク”には、①会計数値を誤るリスクと、②横領等の不正のリスクがあります。①会計数値を誤るリスクの原因には、担当者のスキルの問題のみならず、経理プロセスにチェックを行う機能の欠如が考えられます。②横領等の不正のリスクの原因には、不正をさせない牽制効果の希薄や、不正を検出する機能が欠如していることが考えられます。

こういった内部統制の欠如により発生する損害は、経済的な損失だけではなく、風評等の金額では測れないものがあり、場合によっては取り返しのつかない事態に発展する恐れがあります。このため、内部統制を考慮に入れた経理プロセスの構築が重要になります。

経理プロセスの問題とその改善策

経理プロセスには、会社の規模や業種・業態により様々な問題があります。以下に「1.経理プロセスの効率化」と「2.内部統制の充実」について、問題事例と改善策を記載します。

1経理プロセスの効率化

1導入しているシステムが実際の業務と不適合

過去に導入した会計システムを使用して、盲目的に前任者から引き継がれた作業を行っている場合、無駄な作業や、他の担当者と重複した作業を行っていることがあります。こういったケースの場合、忙しいわりに必要な作業が進まず、決算業務の負担が非常に大きくなっていることがあります。

当監査法人のスタッフが、決算業務のみならず経理業務全般の業務の”棚卸し”を行い必要な業務と不要な業務の洗い出しを行い、会計システム全般の見直しを行います。

2担当者のスキルの不足

頻繁に経理担当者の変更がある場合や、主要なスタッフの退職等により、決算業務が遅れることがあります。当監査法人では、このような事態が予想される場合、事前に後任の担当者に必要な教育を行い、期末決算に向けて人材を造り上げることや、責任者から末端の担当者までの役割を明確にして、必要なスキルを計画的に定着させることをお手伝いいたします。なお、決算業務を完了させるまでに人材育成がある程度進んだ場合には、経理部のみならず、その他の社員にも計画的に展開を図ることで、会社全体の社員が”数字が読める”レベルになることが望ましいと考えられます。

3営業部、購買部及び生産管理部等から経理部への報告の遅れ

経理部は会社で発生している決算にかかわる数値を束ねる作業を行いますが、そもそも必要となる情報が経理部に上がってこなければ、束ねることができません。

営業部からは売上高や売掛金残高の正確な数値、購買部からは仕入れ先からの仕入高や買掛金残高の正確な数値を入手する必要があります。また、生産管理部からは、期末棚卸残高の報告が遅れる場合があります。しかし、これらの情報の収集の遅れが決算業務の遅延の原因になっている場合があります。
当監査法人では、社内のこれらの数値伝達のフローを検証し、ボトルネックとなっている部分を検出し、具体的な改善を図るお手伝いをいたします。

4連結決算を行っている場合の連結子会社や、支店等の遠隔地からの情報の遅れ

連結決算を行っている場合に連結子会社、特に海外にある子会社からの情報は遅れやすい傾向にあります。また、単体決算であっても支店や営業所からの情報が遅れることがあります。このような情報の遅れを解決するために、当監査法人では、子会社や支店等の担当者が記載しやすいような「決算テンプレート」を標準化することを支援いたします。子会社や支店等では、マンパワーや会計に精通した担当者が存在しない場合が多く、そういった方でも記載しやすいように、テンプレートを見直すとともに、その回収頻度を適時に分散することで、正確かつ適時適切な情報収集を行えるようにします。

5会計監査の対応による遅れ

会計監査を受けている会社にとって、決算時の会計監査の対応は、限られた日程やマンパワーの中で、少なからず負担となっています。監査スタッフから担当科目ごとに資料の要請があり、また、監査人スタッフごとの個別の質問のために、経理担当者は決算業務を行うことができません。このため、当監査法人では、会計監査を早期化させるに、監査人が必要としている資料を、あらかじめ会社側で用意しておくこと等の支援をいたします。

6決算業務の属人化

経理部長や経理課長等の一部の決算担当者、いわゆる「職人」に業務が集中することで、決算が遅延していることがあります。このような、”職人”依存の会社は、一見決算が効率的に回っているように思えますが、総じて決算業務が遅いと言えます。

こういった決算業務が”職人”化している会社は、まず「脱”職人”化」を図らなければ決算早期化は困難です。当監査法人では、計画的に業務の分散化を図るための支援を行って行きます。

2内部統制の充実

経理部には会計情報を作成するのみならず、現金や有価証券等の資産を管理する、会社の金庫番です。このため、高い倫理性や誠実性が求められます。しかし、そのような精神論だけでは、常にマスコミで話題になっている経理担当者による使い込みや粉飾といった不正は防止しきれません。このため、当監査法人では、経理プロセスを見直し、内部統制の整備・運用を充実することで、事前にそのような不正や、意図しない誤りを未然に防ぐことを制度として設計しておくことを支援いたします。

内部統制の目的は、下記の4つと言われております。

  1. 1業務の有効性・効率性
  2. 2財務報告の信頼性
  3. 3事業活動に関わる法令等の遵守
  4. 4資産の保全

また、内部統制を構成する基本的要素として、下記の6つが挙げられます

1統制環境
⇒倫理観、経営者の意向、経営方針など、企業の社風や組織文化を決定し、組織内の全てのものの統制に対する意識に影響を与える要素である。
2リスクの評価と対応
⇒経営目標の達成に悪影響を与えるリスクを洗い出し、それを評価し、対応する要素である。
3統制活動
⇒経営者の命令・指示が適切に実行されることを確保するための要素で、職務分掌規定やマニュアルの整備、予算管理などが該当する。
4情報と伝達
⇒必要な情報が識別、把握、処理され、組織内外の関係者に正しく伝えられることを過確保するための要素である。
5モニタリング
⇒内部統制が有効・効率的に機能しているかを継続的に評価するための要素である。
6ITへの対応
⇒組織目標の達成のため、組織内外のITに対し適切な対応をすること。

内部統制の目的を達成するために、これら6つの要素を経営管理の仕組みに組み込み、一体として機能するように、整備・運用の定着を支援いたします。

経理プロセス改善支援のスケジュール

当監査法人が提供します経理プロセス改善は下記のスケジュールにより実施いたします。

1課題の把握

経理プロセスを改善するためには、まず決算遅延の要因や内部統制上の問題点を洗い出します。決算が遅延する要因は通常複合的に絡み合っているため、その中で特に影響を及ぼしている主要な要因を突き止めます。また、業務フローを作成し、その中で内部統制上、問題とする箇所を検出します。このために、実際の作業を行っている担当者から正確な情報を入手するとともに、必要がある場合には、実際に作成している資料のサンプルを入手し、それが本当に必要なものなのか、あるいは内部統制として機能しているのか否かを検証します。その上で、理想とする経理プロセスに近づけるために、要因ごとに改善すべき事項を決定していきます。

2改善計画の策定

洗い出された問題事項に対して、改善するためのアクションプランを策定します。また、この際アクションプランを確実に実現するために、経理プロセスごとに改善担当責任者(プロセスオーナー)の決定をお願いすることがあります。

3改善活動

アクションプランに基づいて実際の改善活動を実行しますが、この際、定期的にプロセスオーナーの改善活動について、当監査法人のスタッフあるいは社内の推進管理者により進捗管理を実施します。

4モニタリング

アクションプランに基づいて行われた経理プロセスの改善の効果を、定期的に検証します。当初予定していたほどの効果が表れていない場合には、その原因を分析し、新たに改善計画を追加することになります。